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AIが「心臓突然死の予知・予防」に役立つ可能性

電子カルテ情報に基づくAI解析により、心臓突然死を予測できる可能性のあることが、フランス・パリ大学の研究者らによる予備研究で示された

本研究は、11月11日から12日にかけてフィラデルフィアで開催される「蘇生科学シンポジウム2023(米国心臓協会主催)」で公表される。研究チームはパリ・シアトルの臨床データベースを利用しており、突然の心停止で死亡した25,000人と一般集団の70,000人についてを解析している。このデータには、100万件以上の診断と1000万件以上の薬剤処方を含み、各死亡の10年前までの医療記録が収集されている。研究者らは、心臓突然死のリスクが非常に高い人々を特定するため、パーソナライズされた因子を持つ多数のモデルを構築した。さらに、研究対象者一人ひとりにカスタマイズされたリスクプロファイルを作成したという。検証では、心臓突然死症例の4分の1以上を占めるハイリスク者を、特に高精度に特定していた。

予測モデルを他国・他地域で利用する際にはその汎化性能が未知であること、電子カルテで収集された医療データには、生データではなくプロキシが含まれること、などが研究の限界として挙げられるが、チームは「パーソナライズされた危険因子リストによって、患者が臨床医と協力してそれらの危険因子を低減し、最終的に心臓突然死の可能性を減らすことができるようにすること」を目指す。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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