IBM Watson Healthは、ハーバード大学・ヴァンダービルト大学とのAI技術を利用した医学研究を推進するため、今後10年間で5000万ドルを拠出すると公表した。対象となる医学研究はAIでの解決が望みやすい領域、とくに電子診療録(EHR)を用いた研究が中心になるとみられている。
13日、ヴァンダービルト大学メディカルセンターが公表したところによると、本プロジェクトは重要な公衆衛生学的課題の解決を目指しており、健康格差や医療安全などの一般的課題から、個人レベルでの最適医療を目指す「プレシジョン・メディシン」までが含まれているという。同センターのKevin Johnson医師は「米国における医療情報分野のトップリーダーとして、IBM Watson Healthと共同し共に成長できることを楽しみにしている」とのコメントを残した。
IBM Watson Healthは長らく科学研究の先端を走り続けてきたが、近年は特にAI技術の医療応用に注力しており、今回公表した共同研究はこの傾向が今後も続くことを強く示唆している。Healthcare IT Newsは、これらの大学が有する大規模医療施設を利用し、技術の臨床応用を加速させたい狙いがあることも指摘している。