AIの実臨床応用が進む米ローカル病院

近年、AIの台頭によりヘルスケアにおける技術革新は急速に進んでいるが、臨床現場への応用はまだ限定的と言える。一方、米国のローカル病院など、リソースが十分でない医療現場においては、積極的なAI利用により業務効率の改善を図るケースが見られるようになってきた。

WMBF Newsの報道によると、Conway Medical Centerでは、患者カルテや各種検査結果などが集約される電子診療録(EHR)にAIシステムを導入しており、敗血症など重篤な疾患の発生リスクを医療者に警告できるようになっているという。システムはヒューマンエラーの回避を望めるほか、適切な早期介入の実現によって患者の予後を直接的に改善することができる。

コンサルティングファーム・Accentureのレポートでは、米国でのヘルスケア領域におけるAI活用により、2026年までに年間1500億ドルのコストカットが見込めるとの推算を示している。積極的な先端技術の活用が、医療経済システム向上のための突破口となるかもしれない。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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