IBM 米大学とのAI研究推進のため5000万ドルを投資

IBM Watson Healthは、ハーバード大学・ヴァンダービルト大学とのAI技術を利用した医学研究を推進するため、今後10年間で5000万ドルを拠出すると公表した。対象となる医学研究はAIでの解決が望みやすい領域、とくに電子診療録(EHR)を用いた研究が中心になるとみられている。

13日、ヴァンダービルト大学メディカルセンターが公表したところによると、本プロジェクトは重要な公衆衛生学的課題の解決を目指しており、健康格差や医療安全などの一般的課題から、個人レベルでの最適医療を目指す「プレシジョン・メディシン」までが含まれているという。同センターのKevin Johnson医師は「米国における医療情報分野のトップリーダーとして、IBM Watson Healthと共同し共に成長できることを楽しみにしている」とのコメントを残した。

IBM Watson Healthは長らく科学研究の先端を走り続けてきたが、近年は特にAI技術の医療応用に注力しており、今回公表した共同研究はこの傾向が今後も続くことを強く示唆している。Healthcare IT Newsは、これらの大学が有する大規模医療施設を利用し、技術の臨床応用を加速させたい狙いがあることも指摘している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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