心音から心疾患を自動診断するAI聴診器

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デジタル聴診器で知られる米Ekoは、異常心音から心臓弁膜症を含む種々の心疾患を診断できるAIデバイスを開発した。Duoと名付けられたこのポータブルデバイスは、いわゆる未来型聴診器として日常臨床での普及を目指している。

Medical Design & Outsourcingの報道によると、数万の心音パターンから構築された機械学習アルゴリズムは、高精度な心臓疾患スクリーニングを実現しているという。また、Duoは既に米食品医薬品局(FDA)の承認を得ており、展開促進を見据えた大規模な臨床研究を予定しているとのこと。

聴診は医師による基本的診察手技の1つである一方、軽度の逆流音など微細な変化については、医師間でも習熟度の差が大きい。また非循環器専門医においては、多くの場合で聴診から識別できる病態も限定的であると言わざるを得ない。FierceBiotechは過去に、Duoによって小児心疾患の診断が非専門家でも可能との研究成果を報じている。古典的な聴診器が淘汰される未来が、少しずつ近付いているのかもしれない。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。