AIを利用しマイクロRNAから感音性難聴を予測

Photo by iStock

マイクロRNA(miRNA)は近年大きな注目を集めている。遺伝情報を持たないことからノンコーディングRNAとも呼ばれるが、特に哺乳類においてはmiRNAが遺伝子発現の多数を制御していると考えられ、疾患発症との関わりも多く指摘されている。今回、AIを利用した解析で、このmiRNAと感音性難聴との関連も明らかとされた。

学術誌Scientific Reportsに4日公開された論文によると、米カンザス大学の研究チームは、機械学習アルゴリズムを利用することで、外リンパ由来のmiRNAの情報単独から、感音性難聴の存在を予測することに成功したという。この成果は感音性難聴の発生メカニズムに関して、分子レベルでの理解に役立つ可能性もある。

感音性難聴のリスク因子には加齢があり、高齢化の進む社会においては疾患が与えるインパクトも大きい。研究チームは昨年、NeuroReportにおいて、miRNAが他の内耳疾患とも関連していること示した研究成果を公表しており、発生機序に基づく新しい内耳疾患治療法の開発にも大きな期待が集まっている。

前の記事インシデントレポートを自動分類するAIシステム
次の記事心音から心疾患を自動診断するAI聴診器
TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。