AIのヘルスケアにおける利用範囲は急速に広がっているが、今や精神疾患も例外ではない。カナダのアルバータ大学を中心とした研究チームは、統合失調症を高精度に診断する機械学習アルゴリズムを構築した。
インドメディアHindustan Timesの報道によると、同アルゴリズムは脳画像を解析することで、統合失調症を87%の精度で診断できるという。研究チームのSunil Kalmady氏は「統合失調症には特徴的な症状群が定義されているが、患者個人でみると症状の発現パターンは多彩だ」とし、この事実が誤診や見逃しを招いている現状を指摘する。
統合失調症は、日本では人口の約1%にみられる比較的頻度の高い精神疾患である。適切な医療介入によって治療可能であるにも関わらず、その多くが受診に結びついていないことが問題視されてきた。Medical Xpressは、このアルゴリズムが発症早期の統合失調症患者データから構築されていることを挙げ、スクリーニングに有効である可能性も報じている。