AIによる花粉症・アレルギー対策

増加の一途といわれる花粉症とアレルギーは、患者・医療機関の双方にとって多大な負担となる。花粉への曝露を避けるためマスクの装着や屋外活動を控える、抗アレルギー薬を内服するなどの対策を行っても、生産性の低下による社会影響も少なくない。今回は、AIによる花粉症・アレルギーへの取り組みを紹介する。

スイスのメディアSWI swissinfo.chによると、スイス連邦気象局(MeteoSwiss)はリアルタイム花粉監視ネットワーク技術で欧州をリードしている。全土に配置されたシステムは、レーザー光を通過した花粉の大きさや形から仮想ホログラムを作成し、AIアルゴリズムで花粉の組成分析と植物種の特定が可能とのこと。同局は花粉症患者の屋外活動指標と予防治療への活用を目指している。

米IT企業doc.aiによる、自撮り写真から疾患リスクを予測するAIシステムは以前にも紹介した(過去記事)。米Forbesによると、米国大手医療保険会社Anthemはdoc.aiと、アレルギー疾患への応用を共同研究中とのこと。花粉症・アレルギーについて個別化された状況をAIが解析し、社会全体の医療負担軽減を目指す取り組みが始まっている。「あなたに有害なスギ花粉が近くに到達しているので屋外活動を控えて下さい」「顔にアレルギーのパターンが出ているので内服が必要です」など、AIが教えてくれるようにになるのかもしれない。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。