AI技術のヘルスケアにおける浸透は急速に進む。統合失調症を脳画像から診断するAIアルゴリズムを先日紹介したが(過去記事)、精神科領域における活用として、話し言葉や文章からスクリーニングを図る取り組みも始まっている。
ヘルスメディアHealioの報道によると、IBMの研究チームは、話し言葉や文章の変化を捉えることで、精神疾患のスクリーニングを行うことのできる自然言語処理AIアルゴリズムの開発に取り組んでいるという。これまでも、この種の情報に診断的価値が高いことは知られていたが、多くの場合で画一的な処理による評価尺度はなく、医師が効率的かつ有効にデータを処理することは難しかった。
米国における精神疾患有病率は増加の一途をたどり、5人に1人がうつ病を含む何らかの精神疾患を有しているとされる。IBMで同研究に従事するGuillermo Cecchi博士は、精神科医不足は今後急速に拡大することを指摘し、AIを利用することで、効率的な診断と早期医療介入、医療資源の適切な分配を実現することができるとしている。