乳がんは比較的頻度の高い悪性疾患であり、早期発見と適切な医療介入が欠かせない。マレーシア・マラヤ大学の研究チームは、機械学習アプローチを利用し、乳がん患者の生存率を規定する因子を探索した。結果は22日、BMC Medical Informatics and Decision Makingにて公開された。
研究チームの論文によると、マラヤ大学医療センターが保有する8066名分の乳がん患者データベースを利用し、どのような因子が乳がん患者の生存率に影響を与えているかを、機械学習アルゴリズムを用いて検証したという。結果として、乳がんのステージや腫瘍径、転移リンパ節の数、除去した腋窩リンパ節数、初期治療方法、診断法などが主要な規定因子と認められたとのこと。
研究から得られた規定因子自体はおおよそ既知のもので、妥当な結果と言える一方、目新しい成果ではない。ただし、今後他疾患についても広く同種の研究を進めていくことで、高度に個別化された適切な医学的判断の推進に役立つに違いない。疾患発症予測や画像診断への応用にとどまらないAI技術の利用は、この先も続いていくだろう。