AI研究 – 乳がん患者の生存率を規定するもの

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乳がんは比較的頻度の高い悪性疾患であり、早期発見と適切な医療介入が欠かせない。マレーシア・マラヤ大学の研究チームは、機械学習アプローチを利用し、乳がん患者の生存率を規定する因子を探索した。結果は22日、BMC Medical Informatics and Decision Makingにて公開された。

研究チームの論文によると、マラヤ大学医療センターが保有する8066名分の乳がん患者データベースを利用し、どのような因子が乳がん患者の生存率に影響を与えているかを、機械学習アルゴリズムを用いて検証したという。結果として、乳がんのステージや腫瘍径、転移リンパ節の数、除去した腋窩リンパ節数、初期治療方法、診断法などが主要な規定因子と認められたとのこと。

研究から得られた規定因子自体はおおよそ既知のもので、妥当な結果と言える一方、目新しい成果ではない。ただし、今後他疾患についても広く同種の研究を進めていくことで、高度に個別化された適切な医学的判断の推進に役立つに違いない。疾患発症予測や画像診断への応用にとどまらないAI技術の利用は、この先も続いていくだろう。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。