不規則なフライト時間と時差から、航空機の乗務員と乗客は時差ボケ(Jet lag)に悩まされる。短期では渡航先での活動に影響し、長期では健康被害が危惧される。UAEのエティハド航空、およびシンガポールのAERO Health AI は、パナソニックとのパートナーシップで時差ボケ解消に取り組むAIアプリをリリースしている。
Business Travellerで紹介するアプリ『Jet Lag Adviser』は、エティハド航空の乗客において、個人ごとに最適な時差ボケ防止計画をAIが提案する。サーカディアンリズム(いわゆる体内時計)・体格・旅行の性質・飛行時間・ルート・時差といった情報から、睡眠・露光・運動・水分・食事のタイミングをリマインダーで送信してくれる。結果、乗客の目的地での快適な活動を手助けするという。
航空関連企業で編成する非営利団体APEXの記事では、乗務員向けの『Detalytics』という時差ボケ管理プラットフォームを紹介している。いずれは個人のスマートフォン/ウォッチからデータを補足し、健康管理の精度を高めるという。日本の航空会社ではパイロットの飲酒による時間管理トラブルが散発した。AIでの時間管理と健康・安全との関係は注目を浴びる領域のひとつである。航空業界のほかでも、不規則な夜勤シフトの医療者などへの展開も期待される。