AIは時差ボケの特効薬になるか?

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不規則なフライト時間と時差から、航空機の乗務員と乗客は時差ボケ(Jet lag)に悩まされる。短期では渡航先での活動に影響し、長期では健康被害が危惧される。UAEのエティハド航空、およびシンガポールのAERO Health AI は、パナソニックとのパートナーシップで時差ボケ解消に取り組むAIアプリをリリースしている。

Business Travellerで紹介するアプリ『Jet Lag Adviser』は、エティハド航空の乗客において、個人ごとに最適な時差ボケ防止計画をAIが提案する。サーカディアンリズム(いわゆる体内時計)・体格・旅行の性質・飛行時間・ルート・時差といった情報から、睡眠・露光・運動・水分・食事のタイミングをリマインダーで送信してくれる。結果、乗客の目的地での快適な活動を手助けするという。

航空関連企業で編成する非営利団体APEXの記事では、乗務員向けの『Detalytics』という時差ボケ管理プラットフォームを紹介している。いずれは個人のスマートフォン/ウォッチからデータを補足し、健康管理の精度を高めるという。日本の航空会社ではパイロットの飲酒による時間管理トラブルが散発した。AIでの時間管理と健康・安全との関係は注目を浴びる領域のひとつである。航空業界のほかでも、不規則な夜勤シフトの医療者などへの展開も期待される。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。