台湾・Chang Gung大学を中心とする研究チームは、画像から大腿骨頚部骨折を高精度に識別し、骨折部を明確に指摘できるAIアルゴリズムを開発した。研究成果は1日、学術誌European Radiologyにて公開された。
研究チームの論文によると、畳み込みニューラルネットワークを利用したこのアルゴリズムは、25000以上に及ぶ下肢画像を学習させることで得られたという。アルゴリズムの精度は91%、偽陰性率(実際には骨折があるにも関わらず、骨折がないと判断される割合)2%と、非常に優れたパフォーマンスを示している。
大腿骨頚部骨折は高齢者の転倒に伴う骨折として頻度が高く、寝たきりに移行する契機としてもよく知られている。早期の治療介入は患者の予後を著明に改善できるため、わずかな骨折線であっても見逃されるべきではない。医師の診断を補助する画像システムとして、今後臨床現場への普及が期待されている。