メキシコ・モンテレイ工科大学とボストン小児病院の研究チームは、インターネットの検索記録などを利用したインフルエンザ流行予測AIのアルゴリズム改善を行い、南米各国における有効性の検証までを行った。研究成果は学術誌・JMIR Public Health and Surveillanceにて、4日公開された。
研究チームの論文によると、ARGOと呼ばれるこの機械学習アルゴリズムは、インフルエンザに関連したGoogle検索記録、および過去のインフルエンザ流行記録から、現在の正確な発生状況の捕捉と予測を行うことができるという。蓄積データの豊富な米国で先駆けて開発されたアルゴリズムだが、今回南米8カ国にまで拡張したところ、やはり高い精度を示したとのこと。
インフルエンザ流行による影響を軽減するためには、具体的な保健政策を実行する地域公的機関での、適切な流行状況把握が欠かせない。研究者らは論文中で「アルゴリズムによりリアルタイムでの評価が可能なこと、必ずしもデータが十分でない南米各国でも成果を示したこと」を指摘し、ローカルセクターにおける予防的な利用価値の高さを強調している。