ドイツの研究チームは、皮膚科専門医157名とAIによる、メラノーマ(悪性黒色腫)の診断精度比較を行った。結果は今月10日、学術誌European Journal of Cancerにて公開されている。
研究チームの論文によると、12000枚を超えるダーマスコピー画像から畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を利用して構築したアルゴリズムの有効性を検証したという。ドイツ国内12の大学病院に所属する157名の皮膚科専門医と、100枚の皮膚病変画像からメラノーマの診断精度を比較したところ、AIは皮膚科医136名(87%)の正診率を上回る高い診断精度を示したとのこと。
AIと医師の疾患識別能力を、ある程度の規模で直接比較した研究は珍しい。本研究の結果をもって「AIは皮膚科医を代替できる」と結論づけることは全くできないが、AI利用の有効性を示すエビデンスの1つとして非常に興味深い。