世界的な公衆衛生の脅威とされるカルバペネマーゼ産生腸内細菌(CPE)の迅速かつ正確な検出を目指し、研究チームは新たに機械学習モデルのウェブアプリ「CarbaDetector」を開発した。ディスク拡散法で得られた複数の抗菌薬の阻止円径データを入力することで、CPEの有無を高精度に予測可能とするもので、従来の判定アルゴリズムに比べ、特異度を大幅に改善しながら高感度を維持する。ドイツの研究チームらNature Communicationsで発表した。
研究チームらは、ドイツ国内の大学病院などから採取された385株の臨床腸内細菌分離株を用い、ディスク拡散法による8種類の抗菌薬に対する阻止円径を測定した。その結果と全ゲノムシーケンスによる耐性遺伝子の有無を正解ラベルとして学習用データとした。特徴量としては、各薬剤の阻止円径そのものに加え、薬剤間の径の差も導入し、ランダムフォレストでモデルが構築された。結果、外部データセットでの検証で、感度96.3%、特異度86.1%と高い性能を示した。一方、既存の判定基準であるEUCASTやCA-SFMのアルゴリズムでは、特に特異度が非常に低く、多数の偽陽性を確認検査に回す必要があったが、CarbaDetectorを用いることで、偽陽性による無駄な確認検査の数を従来の約6分の1に削減することができた。
著者らは、既存のディスク拡散法という一般的な感受性試験を活かしつつ、無駄な確認検査を減らせることで、感染制御や抗菌薬適正使用の効率化を行える可能性があるとコメントしている。また、今後はより多様な地域や菌種、耐性機構を含む分離株での検証を進め、最終的にはどのタイプのカルバペネマーゼが存在するかまで予測できるよう拡張する予定とのことだ。
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