体外受精の成功率を高めるDeep Learning技術

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米国内の推算では、不妊は出産可能年齢にある女性の約8%に影響している。体外受精(In Vitro Fertilization: IVF)の技術は改善したものの、依然として平均成功率は50%を下回る。不妊治療に取り組み続ける人々の心理的・金銭的負担は相応のものであり、当該分野での技術進化が望まれていた。

学術誌Natureがパートナー出版するNPJ Digital Medicine誌に、Deep Learningアルゴリズムによって写真から等級評価した体外受精後の胚細胞の質と、妊娠成功率が相関するとの結果が発表された。このアルゴリズムはGoogle社のInceptionモデルを基礎としている。これまで人為的に評価されてきた初期の胚にAIによる高精度の客観的評価が行われることで、人工授精成功率の画期的な向上が期待されている。

日本の人工授精に関する処置技術は、高く評価されることが多い。これまでの技法そのままに、胚の質的な選別手法がAIにより進歩することは、不妊治療に懸命に取り組む人々にとって大きな希望につながるだろう。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。