昨年8月、米国政府機関である国立衛生研究所(NIH)が主導し、あるワークショップが開催された。これは医療画像におけるAI活用のロードマップ構築を目指したもので、主要な米国放射線関連学会・団体の協賛を受けた。取りまとめた報告書は今月16日、学術誌Radiologyにて公開されている。
米ScienceDailyの報道によると、報告書では医療画像における機械学習研究の有効な進化を促すため、下記の項目を開発ロードマップとして明示しているという。
1. 新しい画像再構成技術 2. 画像への自動ラベリング技術 3. 臨床画像データ向けの新しい機械学習手法 4. ブラックボックス化を回避した、説明可能な機械学習手法 5. 妥当性の検証された、匿名化およびデータシェアリング手法
放射線科領域におけるAI活用は急激に進んでいるが、米国放射線関連学会・団体はいずれも、ヘルスケア向上を前提にAIの積極的な受け入れ姿勢を示している。放射線科医が医療AIスペシャリストを目指すという新しい流れも生まれているなか、今回のロードマップ策定を受けて、一層同領域でのAI開発は加速するとみられる。