乳がんの転移・再発をAIで予測

乳がん患者のおよそ10-15%が、がんの転移・再発によって亡くなっている。台湾Chang Gung大学の研究チームは、乳がんの転移・再発を予測するAIアルゴリズムを開発した。

学術誌International Journal of Medical Informaticsにて、今月公表された論文抄録によると研究チームは、臨床病理所見と血液検査から乳がんの転移・再発を事前予測するAIアルゴリズムを構築したという。302例の乳がん患者からなる前向きコホートデータを利用しており、最適モデルでは、がん転移の3ヶ月前での高精度な予測が可能であったとのこと。

乳がんの転移・再発を早期に予測し適切な治療介入を行うことは、患者予後を大きく改善する可能性がある。治療後フォローアップの内容や間隔など、重要な医学的判断をサポートするシステムとして期待が集まる。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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