米国テキサス大学と中国大連理工大学の研究チームは、自然言語で記述された臨床文書から薬物の有害事象発現を捉える、新しい深層学習アプローチを開発した。
学術誌・Journal of the American Medical Informatics Associationにて28日公開された論文抄録によると、チームは、固有表現抽出(Named Entity Recognition)と関連分類(Relation Classification)の2コンポーネントからなる新しいシステムを開発したとのこと。それぞれに深層学習モデルを持ち込んだところ、薬物有害事象発現の抽出精度は、古典的な機械学習アプローチを大幅に上回っていたという。
特に罹患疾患数が増え、多数の内服薬を抱える高齢者などにおいては元来の症状も多様であることから、薬物ごとの有害事象の発現を正確に把握することは簡単ではない。電子カルテの基本機能として、有害薬物反応を自動抽出・アラートしてくれるシステムの実現は、臨床医にとっても大きな助けとなるに違いない。