アスリート達のスポーツ外傷を予測するAI

Photo by iStock

時に選手生命を脅かすようなスポーツ外傷は、選手本人はもとより、プロスポーツの世界ではクラブチームの運営にとっても重大な懸念事項である。AIを利用し、アスリートの外傷を予測する取り組みを紹介する。

SoBigDataの記事によると、ピサ大学とFCバルセロナらの共同研究で、プロサッカーチームでの50%以上の筋損傷を予測するAIアルゴリズムが開発されたという。練習中やゲーム中に選手が着用するGPSデバイスからの物理パラメータや、最近の怪我の情報に基づきリスクを算出できる。研究成果はPLoS ONEに報告されている。

勝敗に直結する戦略・戦術へのAI活用に比較し、スポーツ障害予防に向けた医療データ利用の遅れが指摘されており、今後も商業ベースでの技術成長が見込まれている。米スタートアップのZone7はアスリートの怪我を予測するAIプラットフォーム開発企業であり、シードラウンドで250万ドルを調達するなど、同分野の好例として注目を受けた。チームにとっては目の前の勝敗よりも、怪我の予防は多額のコスト抑制につながる可能性がある。また、予防技術の開発は選手個人にとっても大いに歓迎されるものであり、アマチュアスポーツ愛好家への応用範囲拡大も期待される。

前の記事薬物の有害事象を抽出する新しい深層学習アプローチ
次の記事AIで小児の再入院リスクを算出
TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。