中国の慈善事業は前年比+20%程度の伸び率と試算され、年6-7%の経済発展と比べると、指数関数的な拡大をみせているという。そこには急進した技術力を背景として、新しい形のチャリティーを模索する革新性と、やがては国際的に影響力を与えようとする野心が共存する。ひとつの例として、従来の医療保険の枠組みを超え、高額医療費を慈善事業としてカバーする動きを紹介する。
中国メディアKrASIAの報道によると、オンライン医療保険会社Shuidiは、Tencent社らの援助を受け、高額医療費を支払う慈善目的のクラウドファンディングShuidi-chouを展開している。寄付側の手数料は無償であり、2016年以来、100万人の様々な重症患者のため、120億人民元(約2000億円)の寄付を集めてきたという。同プロジェクトはForbesでも報道されており、ビジネスと社会事業の境界が曖昧な革新性が話題となっている。
Tencent社はメッセンジャーアプリWeChatをベースとし、寄付金の送金についての技術協力も行っている。また同社は医療用AIプラットフォームTencent Miying(過去記事)でも存在感を強めている。これが野心と慈善が相反しない好例とするならば、日本の慈善活動や医療はどのように向き合っていくべきだろうか。