スマートウォッチで肥大型心筋症をスクリーニング

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肥大型心筋症は心筋の異常な肥大を生じ、心不全や突然死の原因ともなり得る疾患である。約半数に遺伝性が認められる一方、ほぼ無症状で経過することも多いため、未診断が大きな問題となってきた。スマートウォッチを利用し、この肥大型心筋症をスクリーニングしようとする取り組みを紹介する。

Health IT & CIO Reportが報じたところによると、米サンフランシスコで循環器疾患を取り扱うMyoKardia社の研究チームは、スマートウォッチが搭載するバイオセンサー(特に光電式脈波計)を利用して肥大型心筋症を識別するAIアルゴリズムを開発したという。npj Digital Medicineに掲載されたチームの論文では、同アルゴリズムが98%の正確性を示したことを明らかにしている。

定期通院のある人を除き、一般集団において肥大型心筋症の存在を早期から捉えることは容易ではない。スマートウォッチのバイオセンサーを利用したこのAIアルゴリズムは、肥大型心筋症の早期発見・早期治療介入を一般化し得るもので、新しいスクリーニング法として大きな可能性を秘めている。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。