医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例BioBase - 精神疾患予防に取り組む医療AIアプリの事例

BioBase – 精神疾患予防に取り組む医療AIアプリの事例

WHOは世界で4億5000万人が精神疾患の影響を受けていると推定し、21世紀最大の健康課題のひとつとされる。しかし、不安・うつ・依存症といった精神状態の人々の3分の2が専門医療の助けを求められていないという指摘があり、負のイメージや差別が根強いことも理由のひとつと考えられる。

Forbesでは、AIによってメンタルヘルスに対する認識をより広く変化させようと取り組むロンドンの企業BioBeatsを紹介している。創業者のDavid Plansは、自身が2003年に過労とストレスから意識不明となり救急搬送された経緯をもつ。彼はインタビューに対して「メンタルヘルスを無視するリスクを直接知って、自身の考えが間違っていたことを確信しました。AI研究者であった私は、同じようなことが二度と起こらないよう警告するシステムを構築しようとしました」と語った。

アプリBioBeatsは、睡眠・身体活動・心拍の変動などをウェアラブル機器から収集、ストレスを分析することで精神疾患の予防に取り組む。ユーザーが自身の精神状態に対して取り組むヒントを提供し、潜在的な危険を掘り起こす。「技術だけでは精神疾患は解決せず、人々の病気に対する意識を変容させることが願いです」とDavidは強調して更なる開発を進めている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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