循環器モニタリングにおいて、画期的なテクノロジーを創出して注目を集める米iRhythmは、Alphabet傘下のVerilyとの共同研究・開発事業を明らかにした。Verilyの持つ優れたヘルスデータ解析技術を利用し、心房細動の診断・管理向上を狙った新システム開発に繋げる。
Cardiac Rhythm Newsが先週報じたところによると、両社は無症候性(明確な自覚症状を伴わない)や未診断の心房細動に特に重点を置くという。心房細動は放置されると血栓形成を起こしやすく、有意に脳梗塞リスクを高めるため、早期のスクリーニングから正しい診断と治療管理に結びつけることは直接的に患者の生命予後を改善し得る。本年5月に行われた米国心臓病学会(American College of Cardiology)の年次総会では、iRhythmのモニタリングサービスで心房細動の診断を受けた患者群が、モニタリングを受けていないコントロール群に比べて、入院や救急受診の割合が低くなることが発表され話題となっていた。
VerilyのCMOであるJessica Mega氏は「循環器モニタリングのパイオニアであるiRhythmとのパートナーシップをとても楽しみにしている。より効率的な診断・治療のシステムを構築し、心房細動を持つ患者たちを深刻な転機から防ぐ取り組みとしたい」と話す。なお今回の提携に伴い、iRhythmはVerilyにに対して500万ドルの支払いをしており、成果に応じて1275万ドルまでの報酬が設定されているという。