医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例脳卒中のAI画像診断で虚血も出血もカバーする完全パッケージ - Aidocの新リリース

脳卒中のAI画像診断で虚血も出血もカバーする完全パッケージ – Aidocの新リリース

イスラエルのAI画像診断ツール開発企業Aidoc(過去記事)は、米国でFDA認証を次々に進めているファーストランナーである。今回、9月にリリースされたのは、いわゆる脳卒中を包括的にCTから特定するパッケージである。

NeuroNewsでは、同社の最新版ツールのリリースを報じている。脳卒中と呼ぶ場合、虚血あるいは出血を起こしている病態に大きく分かれる。新実装のパッケージは、そのどちらも関係する血管閉塞に対してフラグを立てるのが特徴で、脳卒中を多面的に診断できる。救命科や放射線科の画像診断ワークフローに組み込まれ、バックグラウンドで「常時オン」のツールが継続的に分析を続け、虚血性と出血性の脳卒中患者が発見され次第、最優先でリストに順位づけされるという。

「time is brain(時は脳なり)」という医学の標語にもあるように、脳卒中の迅速な診断と治療は、転帰の改善に不可欠である。また米国脳卒中協会(ASA)と米国心臓協会(AHA)は「door-to-needle(ドアから針まで)」すなわち脳卒中発生のdoorから血栓除去治療のneedleまでの時間短縮に焦点を当てたケアプログラムを実施している。AidocのAI診断ツールにはパッケージが随時追加され、放射線医学の規制をクリアしながら、臨床での社会実装が続けられている。さらにリードを固めてゆく同社のツールには業界水準となる可能性が高まっている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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