AIが10秒で肺炎診断 – スタンフォード大学 CheXpert

救急部門で肺炎が疑われた患者に胸部X線検査が行われた際、撮影から放射線科医師の読影診断まで一定の時間を要する。救急部門には電子臨床意思決定支援ツールが配備されていないことも多く、臨床医にAIが診断情報を直接提供できるローカルのシステムに対する希望は強い。

Medical Design & Outsourcingは2日、スタンフォード大学の機械学習グループによって開発されたAIシステム「CheXpert」を紹介している。同システムは診断精度を担保しながら、AIを利用することで、肺炎診断から治療に至る診療プロセス全体の時間短縮を実現した。核となる肺炎の識別アルゴリズムは、計20万におよぶ胸部X線画像からの構築と妥当性検証を行ったという。従来、20分程度を要した画像撮影後のプロセス(放射線科医による読影 – 読影レポートの受け取り・解釈 or 自然言語処理 – 治療開始)を、このシステムでは10秒未満に短縮することに成功した。

肺炎の診断から抗菌薬治療開始までの時間が短縮されることで、臨床上のメリットがどの程度生まれるか。この秋からのシステム実装後に検証が進められてゆくこととなる。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。