AIが事務作業を削減すると医師の仕事に魅力が生まれるか?

医師の労働時間の半分が、電子カルテへの入力と事務書類に費やされている。患者と向き合う時間は27%に過ぎない。そのような推計を示された時、果たして医師という仕事は魅力的だろうか?電子カルテが医療プロセスを簡略化するとして導入されたにもかかわらず現場では不満が募る。電子カルテは正しい方向に向かっているだろうか?医師の時間を節約するAI技術開発はそれらの問題を解決する可能性を示す。

MedPageTodayでは、医療の事務処理を削減する様々なAI技術を紹介している。筆頭に挙げられるのはAmazon Web Servicesであり、AIを使用したクラウドベースの医療記録サービスを提供し、機能の一例として臨床記録からデータを抽出してインデックスを自動生成する。次に、AthenaHealthではFAXのメッセージをAIが分類して医療システム全体から年間300万時間を省略できたという。また、AugmedixはGoogle Glassによって医師が患者の診察中にコンピュータに向き合う必要がなくなり、医療記録はリアルタイムで自動生成される。

医師や看護師にとって最も適切な仕事は、患者に対する共感とケアであり、事務作業ではないことは自明である。単調な繰り返し作業は医療業務の創造性を阻害し続けている。あらゆるAI技術によって医療の事務作業が削減されたとき、医師の仕事が再び魅力的に思える時代となるだろうか。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。