放射線科医とAIの協調による高精度乳がんスクリーニング

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米ニューヨーク大学(NYU)の研究チームは、マンモグラフィ画像の読影において、放射線科医とAIの共同作業が高精度な乳がんスクリーニングを実現できることを示した。

チームの研究報告によると、この乳がんスクリーニングAIは、20万枚を超えるマンモグラフィ画像から構築されており、放射線科医の読影と併せることで90%の乳がん識別精度を達成したという。同大学の公表によると、論文の著者であるKrzysztof J. Geras博士は「AIは人間の目で見ることのできないピクセルレベルの変化を検出することができるが、逆にAIが持ち得ない推論を人間が行うことによって、乳がんスクリーニング全体の精度が補完される」としている。

米国では年間4000万件ものマンモグラフィ検査が実施されているが、偽陽性(本来的に乳がんを持たないが検査上は乳がんを疑われる症例)もしばしば問題となる。これは確定診断のためには生検(外科的に組織サンプルを採取して調べる検査)が必要となることから、健常者に対する侵襲性としては決して低くないためだ。AIと放射線科医の協調により、精度の高い乳がんスクリーニングを実現することは、現実的で価値の高いAI活用法として期待が大きい。

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TOKYO analytica
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1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

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防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。