AI医療アシスタントは、アプリなどを通じて患者が体調や病状を相談するプラットフォームである。自然言語処理の発展と共に開発競争が進む領域で、以前にはBabylon Healthのアプリを紹介した(過去記事)。AIチャットボットとの会話で導かれた病名を患者に伝え、受診行動を支援するアプリを開発している米国スタートアップSense.lyに対する出資を、日本の総合商社双日が11月5日に発表している。
nippon.comでは、米国内で双日が設立したベンチャーキャピタルを通じ、Sense.lyへの出資が行われたことを報じている。出資額は明示されていない。スマホアプリとして公開中のSenselyは、米メイヨークリニックで蓄積された診断例から開発が進められた。ユーザーはアプリ上で看護師を模したアバターと会話し、疑わしい病名などの助言を受ける。最終判断は患者に委ねられるが、患者の自宅診療を支援することで、世界的に負担を増す医療費と保険料の低減、および医療資源が不足する地域での活用を目指している。
双日は自身が運営事業に参加しているトルコ公立のIkitelli総合病院などへSenselyの技術導入を検討している。また、双日社員の健康管理にも利用してゆくとのこと。他にもSense.lyのパートナー企業には日本生命や楽天生命保険も名を連ねている。日本企業が手がける海外の医療事業に、同様のAIサービスが展開される動きは今後も続くであろう。