AIによって患者の自宅診断を支えるプラットフォームの拡大は、先日も双日の米スタートアップSenselyへの出資を紹介した(過去記事)。自然言語処理と密接に関わる技術だけに、その国のローカルな言語での開発が不可欠な部分も多い。現状では、英語圏あるいは中国語圏が中心となる。そのような中、アラビア語圏で利用できる医療AI診断アプリとして世界初を謳う、サウジアラビア発のNalaというサービスがある。
Business Wireの報道によると、Nalaはサウジアラビアのリヤドに本拠をおき、現地の医師を中心とした人材でデジタルヘルスサービスを急成長させている。今月、Nalaはアラビア語での即時医療診断を可能とするAIプラットフォームの立ち上げを発表し、最初のラウンドに100万ドルを調達した。Nalaは、サウジアラビア政府が掲げる経済改革計画「Vision 2030」に貢献が期待される民間企業として、政府からの認可と支援も強化されている。
Nalaの創設者でCEOのOthman Abahussein氏はインタビューに対し「私たちの使命は、ヘルスケアのコストを10分の1に削減すると同時に、卓越したヘルスケアをユーザーに提供することです。チームはリヤドにおかれ、人材への投資は、すべて現地の才能に注がれています。非常に高い報酬で、現地の才能に賭けているのです」と語った。すでにAppleのAppStoreとGoogleのPlayStoreで公開されているNalaのアプリは50,000人以上のユーザーを抱え、アラビア語圏の潜在的なユーザーを対象に今後も爆発的な成長を遂げるかもしれない。