医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療系AIスタートアップ・ベンチャー企業の動向スマートフォンカメラで日々の健康チェック - 表情からバイタルサインを読み取るAI技術

スマートフォンカメラで日々の健康チェック – 表情からバイタルサインを読み取るAI技術

近年、平均的なビジネスパーソンは1日のうち3-4時間程度をスマホ使用に費やしているという。ニュースサイトやSNSをチェックするその時間、スマートフォンカメラを通した自身の健康チェックが行われるとすればどうだろうか。

イスラエルのスタートアップ・Binah.aiは、スマートフォンカメラを利用し、人物のフェイスモニタリングによってバイタルサインを抽出するAI技術を開発した。The Jerusalem Postが28日報じたところによると、同社のAIアプリは顔動画を解析することで、心拍数であれば7秒、呼吸数は30秒、酸素飽和度を10秒で捉えることができるという。またストレスレベルの評価も可能となった一方、同社はフェイスモニタリングによって血圧と血糖値を測定する機能の実現を目指しているとのこと。

Binah.aiのCEOであるDavid Maman氏は「このテクノロジーは特殊なハードウェアを必要とせず、どこでも機能することができる。スマートフォンだけでなく、例えばスマートミラーとして搭載すれば、毎朝歯を磨いている間にバイタルサインを抽出することもできる」と述べる。日本のデンソーともパートナーシップを結び、ドライバーへのデジタルヘルス技術活用も期待される。現在、ヘルメットをかぶったレーシングドライバーでさえモニタリングできることを明らかにしており、潜在的な活用の幅は広がる一方と言えるだろう。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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