急性骨髄性白血病 AML はAI診断の時代へ

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血液がんの一種である白血病、その中でも急性骨髄性白血病(AML)は小児あるいは働き盛りの成人での発症が話題として取り上げられることが多い。そのAMLをAIで診断する大規模研究の成果が発表され、早期発見と診断コスト削減が期待されている。

SchienceDailyで紹介されている同研究は、ドイツのボン大学のチームを中心として学術誌iScienceに発表された。血液サンプル中の特定の遺伝子活性「トランスクリプトーム(transcriptome)」を全105の研究・12000以上の血液サンプル・約4100のAML患者検体から機械学習によって解析し、アルゴリズムを構成した。アルゴリズムはAMLに対して99%を超える検出率を達成できたという。

研究グループのJoachim Schultze教授は「かかりつけ医が通常どおり採取した血液サンプルで十分に解析できる手法であり、検査費用は従来の数百ユーロと比べ、50ユーロ未満になると思います。症状からAMLを疑うことで検査が行われる点で今後も専門医が必要ですが、診断プロセスが迅速化され早期治療開始が可能となるでしょう」と語っている。長期的には同様のトランスクリプトームへのAI分析手法で認知症分野への応用が予定されているとのことである。

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TOKYO analytica
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1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

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防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。