手術ロボット分野に新規参入したTransEnterix社は、Senhanse Systemという手術支援システムで2017年にFDA承認を受けた。同社の手術ロボットは、外科医が操作アームから組織の固さを感じられるフォースフィードバックや、視線の動きで内視鏡カメラを操作できるアイトラッキングを特徴としている。TransEnterixはシステムにAI機能を追加するためFDAの510(k)申請を提出したことを発表した。
医療機器を専門とするメディアMassDeviceによると、TransEnterixは新しいAIシステムによって内視鏡カメラを手術器具にタグ付けて自動追従させることができるようになるという。同社のCEOであるAnthony Fernando氏は「手術で最も重要なことのひとつに、カメラの手術視野から手術器具が見えなくならないことがあります。このカメラ機能はAIによる機能拡張で最終到達を目指すところの第一歩にすぎません。さらにはデータ分析から手術の理解を深めてゆきます」と語った。
TransEnterix社のSenhanse Systemは、業界リーダーであるIntuitive Surgical社のda Vinci(ダ・ヴィンチ)を猛追するべくシェア拡大に挑んでいる。より多くの外科医のもとへ自社の手術ロボットを届けるため試験的なリース契約も開始した。今回のAI機能追加申請は、外科医の仕事を置き換えるものではなく、システムが外科医の見方や考え方を改善することを目指しているという。