新型コロナウイルスの起源を探るAI研究

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学術的にsevere acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2)と命名されている新型ウイルスは、人獣共通感染症とされているがその起源については議論の余地がある。起源を追跡するためにAI技術を用いた研究のひとつとして、bioRxivに公開された査読前論文を紹介する。

オーストラリアのディーキン大学のグループから「Origin of Novel Coronavirus (COVID-19): A Computational Biology Study using Artificial Intelligence」との表題で5月12日に発表された研究では、ウイルスの遺伝子配列データに教師なし機械学習 クラスタリングの手法(DBSCAN)を用いた。結果として、今回のウイルスの起源がコウモリやパンゴリン(和名センザンコウ)が宿主であった仮説を支持するものであった。なかでもコウモリ由来の可能性が高いということも示唆されている。

遺伝子という大量のデータから有意なパターンを抽出するAIの能力には注目が集まっており、今後のワクチン開発にも同様の活躍が期待される。それぞれのアルゴリズムの利点・欠点を補い合いながら、ウイルスとの共存に向けた戦略が構築されてゆくだろう。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcherを経て東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。