COVID-19に気候変動は影響し季節性があるのか? – 米バークレー研究所の機械学習プロジェクト

新型コロナウイルスの活動が、夏場に衰退し秋から冬に再燃するという仮説に対して、米国ローレンス・バークレー研究所は新しい研究プロジェクトを立ち上げている。今回のウイルスが、インフルエンザと同様に季節性をもつのかが大きな注目点となる。

バークレー研究所のニュースリリースによると、研究チームは、気候モデルと関連するデータセットに機械学習を適用し、COVID-19の季節性を予測するプロジェクトを始めている。環境要因を社会的・健康的要因から切り分けて疾患との関わりを紐解くには、多くの交絡する変数と変数間の相互作用が存在するため、シンプルな関連の抽出は容易ではない。これまでバークレー研究所は気候情報をダウンスケーリングして農業などの課題に取り組んできており、そのノウハウを活かした形となる。

バークレー研究所の気候・生態系科学部門のEoin Brodie氏は「気候が大きな支配的影響を与えているとは必ずしも考えていません。しかし、本当に重要な関連があるいは見つかるかもしれません。今回のプロジェクトはAIの真髄に迫る課題です」と語る。チームは夏の終わりから初秋までに分析の第一段階を終え、その知見を利用できるようにしたいと考える。一例としては子どもたちが登校を再開するシナリオなどで、公衆衛生上の意思決定に役立つことが期待されている。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。