米オクラホマ州立大学などの研究チームは、ソーシャルディスタンスの確保が「どの程度COVID-19の感染拡大を抑制しているのか」を、機械学習手法を用いて調査した研究報告をまとめた。
JMIR Public Health and Surveillanceに公表されたチームの論文によると、GoogleとAppleが収集したGPSモビリティデータと欧州疾病予防管理センター(ECDC)の疾患統計を利用し、26か国におけるソーシャルディスタンス関連政策がどのように感染拡大に影響したかを調査した。勾配ブースティング回帰木を用いたモデルでは、ソーシャルディスタンス関連政策によってもたらされた「モビリティパターンの変化」は、「COVID-19の感染率の変動」の47%を説明していた。
研究者らは、これまで多く示されてきたシミュレーションベースの先行研究と同じく、やはりソーシャルディスタンス確保は感染拡大を抑制すると結論付けている。一方で、全体的で一義的なソーシャルディス政策ではなく、精緻なデータ解析によって地域特異的な必要性を捉え、政策に反映させることの必要性も訴える。