締め付けのない血圧測定へ – フォトプレチスモグラフィによる血圧推定

高血圧は心血管疾患をはじめとした重篤な疾患群の引き金となる。日常的な血圧測定・管理はこれらの予防のためにも重要だが、カフによる締め付けには一定の不快感が伴う。バングラデシュなどの研究チームは、光電式容積脈波記録法(フォトプレチスモグラフィ)を活用した「締め付けのない血圧測定法」の実現を目指している。

オープンアクセスの科学誌Sensorsに今週チームが公表した研究論文によると、219名から測定したフォトプレチスモグラフィ信号の波形特性から機械学習アルゴリズムをトレーニングし、収縮期および拡張期の血圧を推定するモデルを構築したという。最良の予測モデルはそれぞれ別個に選択されており、チームは「ハードウェアへの実装によって、血圧の継続モニタリングと突然の重篤な変動に備えることができる」とする。

フォトプレチスモグラフィは動脈血酸素飽和度をモニターするパルスオキシメーターでの活用がよく知られており、指先の小さなデバイスで酸素飽和度や心拍を捉えることができる。近年ではApple Watchの光学式心拍センサーに採用されており、AI技術の適用によって利用範囲の急速な拡大が見込まれている。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。