COVID-19パンデミックをきっかけとした、一般クリニックへの来院数減少が世界各国で続いた。その後、急速に遠隔医療への需要が高まったが、電話・ビデオ通話によって医療サービスの質の低下は避けにくい。臨時措置としての遠隔診療普及では、医療機関の財政的な存続可能性にまで影響を与える。
米AdviNOW Medicalの遠隔診療システムは、AIと拡張現実を盛り込み、現実の医療機関のワークフローを損なわない自然な診療の流れを提供しているとうたう。同社のプレスリリースによると、患者医療情報登録や文章作成が自動化され、患者と医師の対話時間を重視しつつも、従来比で1時間あたり最大4倍の患者診療にあたることができるという。
遠隔診療においては、現場での医療情報の文章化などに際し、対面診療に比して余分な時間と労力を強いる側面もある。また、遠隔診療で発生しかねない賠償責任リスクは多くの医療従事者が懸念するところである。遠隔診療の質と患者満足度を向上させる取り組みはこれからも続いていくだろう。