英PrecisionLife – 重篤なCOVID-19発症に関連する68の遺伝子を特定

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英国に本拠を置くPrecisionLifeの科学者たちは、独自のAIプラットフォームを利用し、重度のCOVID-19発症に関連する68の遺伝子を特定した。バイオマーカーによる高リスク群の識別や、薬剤化し得る標的タンパク質と経路も示されており、COVID-19への抜本的対策を加速させる可能性がある。

研究チームが公表したプレプリント論文によると、新型コロナウイルス陽性で入院加療を要した976名の患者に対し、独自AIプラットフォーム上において遺伝子間相互作用(エピスタシス)を考慮したゲノム解析を加えたところ、68のタンパク質コード遺伝子にCOVID-19発症との高度な関連がみられたという。また、少なくともそのうちの9つについては、既に第I相臨床試験に達した薬物の標的となっていたとのこと。

PrecisionLifeは、利用したデータセットが英国白人に偏っていることを明言している。バイアスを排した強固なエビデンスを得るには、多様な背景の患者を加えた大規模な調査に結びつける必要があるが、今後世界各国における追試験が進むことも期待される。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。