英国に本拠を置くPrecisionLifeの科学者たちは、独自のAIプラットフォームを利用し、重度のCOVID-19発症に関連する68の遺伝子を特定した。バイオマーカーによる高リスク群の識別や、薬剤化し得る標的タンパク質と経路も示されており、COVID-19への抜本的対策を加速させる可能性がある。
研究チームが公表したプレプリント論文によると、新型コロナウイルス陽性で入院加療を要した976名の患者に対し、独自AIプラットフォーム上において遺伝子間相互作用(エピスタシス)を考慮したゲノム解析を加えたところ、68のタンパク質コード遺伝子にCOVID-19発症との高度な関連がみられたという。また、少なくともそのうちの9つについては、既に第I相臨床試験に達した薬物の標的となっていたとのこと。
PrecisionLifeは、利用したデータセットが英国白人に偏っていることを明言している。バイアスを排した強固なエビデンスを得るには、多様な背景の患者を加えた大規模な調査に結びつける必要があるが、今後世界各国における追試験が進むことも期待される。