てんかん発作の脳波検出精度を高めるAI研究 – ワシントン大学

神経疾患である「てんかん」では、脳神経細胞の電気的な異常興奮により、痙攣をはじめとした諸症状を引き起こす。近年、脳波(EEG)によるてんかん発作の検出と予測に関して、AIの利用価値に注目が集まっている。ワシントン大学を中心とした研究グループによる「てんかん発作の脳波検出精度を高める機械学習技術」が学術誌 Scientific Reportsに発表されている。

ワシントン大学のニュースリリースによると、同研究では、23個の電極から取得される脳波に機械学習を適用し、てんかん発作の検出精度を高めたという。単一の脳波だけを見るのではなく、脳の各領域同士の相互作用を考慮することで効率的な計算処理が可能となり、発作の検出率は93.6%を達成している。

てんかん発作は、投薬や手術によって7割ほどがコントロールできるといわれる。しかし一部には難治性の患者が存在し、発作の個人差が大きいことから、その検出と予測は重要な課題とされてきた。同様の研究を通して脳機能ネットワークへの理解が進むことにより、発作の個別性に対応した臨床応用が期待されている。

 

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。