preeclampsia:子癇前症(しかんぜんしょう)は、妊娠に伴う高血圧で発生し、痙攣や意識障害を起こす子癇のリスクが高い状態を示す。疾患の定義が曖昧との指摘から日本国内では「妊娠高血圧腎症」として主に呼称されている。同疾患を、妊娠中の母体の血液中に放出されるRNAから機械学習手法によって分類する研究が学術誌Science Translational Medicineに発表されている。
Medical Xpressでは、遺伝子解析装置を手がけるイルミナ社の研究者を中心として行われた同研究を紹介している。妊婦血液から機械学習手法によって高リスクの妊娠と関連するRNA転写物を49種類同定し、早期発症の妊娠高血圧腎症患者を85-89%の精度で分類することができた。
妊娠20週目以降に症状を伴って診断されることが多い妊娠高血圧腎症については、その後の持続的な悪影響に対処するため早期診断が望まれていた。今回の新しい取り組みによって、特定が難しいとされてきた妊娠高血圧腎症の早期リスク診断と発症予測が可能になることを同研究グループは期待している。