医師と患者との間で十分な説明と同意が得られることを意味する「インフォームド・コンセント(informed consent)」には、言語の壁がさらに大きな課題となる。豪クイーンズランド州政府は、州内で立ち上げられた医療AIプロジェクトに550万豪ドル(約4億円)の予算を充てている。採択された企画のひとつがインフォームド・コンセントのためのAIである。
豪地方紙 Brisbane Timesでは同AIプロジェクトを紹介しており、そのひとつに「Clearer Consent」という英語を話せない人にインフォームド・コンセントを行うAIインターフェースの開発がある。Clearer Consentの責任者で応用数学者のTobin South氏は、既存のチャットボットや質問応答ソフトを修正して、医療の最前線での使用に適したものにすることを目標としている。
他のAIプロジェクトには、深層学習による医療画像の初期スクリーニングがあるなど、当初はCOVID-19対策に焦点を当てて助成の枠組みが設定された経緯があるが、その他疾患への応用にも次第に関心が広げられている。