小児科病棟入院によって家庭環境から引き離される子どもたちは精神的な健康面も危惧される。COVID-19のパンデミックで様々な面会制限が課され、入院環境の孤立度合いはさらに増している。その子どもたちの孤独と孤立を助けるため、アルメニア拠点のスタートアップExpper Technologies社によってAIロボット「Robin」が開発されている。
米UCLA Mattel Children’s Hospitalのニュースリリースによると、同病院は米国で初めてRobinを迎え入れ、子どもたちと交流しながら1年間の訓練期間を予定している。Robinの技術はAssociative memory(連想記憶)と呼ばれるものの構築を可能とした。子どもの表情を解釈して感情を認識し、過去の会話パターンを再現し反応性の高い対話ができる。
AIロボットRobinは、アルメニアのウィグモア診療所で4歳から12歳まで85人の子どもたちが参加した9週間の先行研究を経ている。その結果、子どもたちの喜びのレベルを26%増加、入院中のストレスレベルを34%減少させたという。UCLA Mattel Children’s HospitalのRobinプロジェクトのリーダーであるJustin Wagner医師は「物理的な隔離は必要ですが、子どもたちにとって隔離されているという感情は必要ありません」と語り、Robinとの交流を通じて子どもたちに接触・注意力・交際力を提供したいと考えている。