推定の不確実性はあらゆる統計モデルに付随し、これにはモデルそのものの不確実性とデータに起因する不確実性の2種が存在する。結論が一貫すること、またそれが検証可能であることは、医療AIの臨床的有効性を担保するにあたって非常に大きな要素となる。
米カリフォルニア大学サンフランシスコ校やテキサス大学、シンガポール国立大学などの共同研究チームが公表した論文によると、過去30年間にわたる出版論文のメタ解析により、不正確な測定や欠測値、その他のエラーから生じる不確実性は高頻度に観察されるが、ここに潜在する問題の多くはディープラーニングによって対処できる可能性があることを明らかにした。研究チームは、不確実性に対処する古典的な機械学習手法(ベイズ推定・ファジー理論・モンテカルロシミュレーションなど)に比してディープラーニングは、ノイズを多く含む場合にも一般化し、強力なパフォーマンスを達成できる点を指摘する。
著者らは「医療データのノイズは必発と言えるが、ディープラーニングモデルの探求が解析結果の最適化に繋がる。不確実性の適切な定量化は、臨床的な意思決定のための重要な情報を提供するだろう」としている。