医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例デジタルフェノタイピングが精神疾患の分析を加速させる

デジタルフェノタイピングが精神疾患の分析を加速させる

デジタルフェノタイピング(Digital Phenotyping)と呼ばれる、「スマートフォンやウェアラブル機器に収集されるデジタル化された個人の行動データの特性」を解析する動きが盛んとなってきた。精神疾患へのデジタルフェノタイピングと機械学習の利用状況を評価したシステマティックレビューが学術誌 Harvard Review of Psychiatryに収載されている。

News-Medical.Netでは、ハーバードメディカルスクールの研究者から発表された同論文を紹介している。レビューでは、精神疾患にデジタルフェノタイピングが応用された51件の研究が絞り込まれ、そのうち16件に機械学習アプローチが用いられていた。対象とされた精神疾患は統合失調症・双極性障害が主であり、平均31名の参加者が約4ヶ月モニターされている。ほとんどの研究で加速度計・GPSからのデータが収集され、その他の指標として音声通話・テキストメッセージのログが用いられている。最も一般的に使用されていたアルゴリズムはランダムフォレストであった。

レビューによるとスマートフォンの機種・OS・年齢・人種・民族などに高いばらつきが見られており、著者らは研究同士の比較を促進するため報告形式の標準化を提案している。今後もデジタルフェノタイピングは精神疾患の評価と予測に応用が進むであろうが、より質の高いデータと大規模な研究が必要とされている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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