キャピラロスコピー(毛細血管顕微鏡)は爪郭部の毛細血管所見から、強皮症をはじめとする自己免疫疾患を早期に発見する目的で利用される。この検査の効率と客観性を向上させる目的に、スペイン・サラゴサに本拠を置くCapillary.ioは、ディープラーニングを利用したツール開発に努めている。
Capillary.ioが23日明らかにしたところによると、同社の新しいAIツールはスペイン内科学会(SEMI)と共同して開発されたという。このAIアルゴリズムは爪郭部の毛細血管の形状とサイズを自動検出し、高精度な測定と分類によって医師の診断を支援する包括的な指標を提供することができる。自己免疫疾患が微小循環に影響を及ぼす事実から、キャピラロスコピーは長く有用な診断アプローチと捉えられてきたが、顕微鏡観察による主観的な評価が主体となっていたため、高い客観性を備えたツールが望まれていた。
Capillary.ioのユーザーでもある、SEMIのPatricia Fanlo氏は「このツールによってキャピラロスコピーのパフォーマンスと有用性を劇的に改善できる。また、疾患診断に役立つ臨床パラメータをレポートとして素早く取得できるだけでなく、臨床情報を体系化して分析できるため、毛細血管における微小循環研究の促進も期待できる」としている。