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爪の毛細血管から自己免疫疾患の診断を助けるAIソフトウェア

キャピラロスコピー(毛細血管顕微鏡)は爪郭部の毛細血管所見から、強皮症をはじめとする自己免疫疾患を早期に発見する目的で利用される。この検査の効率と客観性を向上させる目的に、スペイン・サラゴサに本拠を置くCapillary.ioは、ディープラーニングを利用したツール開発に努めている。

Capillary.ioが23日明らかにしたところによると、同社の新しいAIツールはスペイン内科学会(SEMI)と共同して開発されたという。このAIアルゴリズムは爪郭部の毛細血管の形状とサイズを自動検出し、高精度な測定と分類によって医師の診断を支援する包括的な指標を提供することができる。自己免疫疾患が微小循環に影響を及ぼす事実から、キャピラロスコピーは長く有用な診断アプローチと捉えられてきたが、顕微鏡観察による主観的な評価が主体となっていたため、高い客観性を備えたツールが望まれていた。

Capillary.ioのユーザーでもある、SEMIのPatricia Fanlo氏は「このツールによってキャピラロスコピーのパフォーマンスと有用性を劇的に改善できる。また、疾患診断に役立つ臨床パラメータをレポートとして素早く取得できるだけでなく、臨床情報を体系化して分析できるため、毛細血管における微小循環研究の促進も期待できる」としている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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