医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例血管超音波の自動解析AIでFDA認可「See-Mode Technologies」

血管超音波の自動解析AIでFDA認可「See-Mode Technologies」

脳卒中は世界中の多くの地域で死亡・後遺症原因の最上位を占める。脳卒中のリスク評価には血管超音波検査が有用となるが、検査結果の解釈と報告には手間とエラーが伴う。シンガポールとオーストラリアを拠点とするスタートアップ See-Mode Technologiesは、血管超音波を自動解析しレポート作成するAIソフトウェアを開発している。

MediaOutReachで報じられたプレスリリースでは、See-Mode Technologiesが開発した血管超音波用AIソフト「Augmented Vascular Analysis (AVA)」が米FDAから510(k)の認可を取得したことを発表している。AVAはディープラーニングとテキスト認識の利用で、血管超音波を1分以内に解析してレポート作成を省力化する。

See-ModeのAVAは2019年後半にシンガポール保健科学局(HSA)からクラスBの医療機器として承認され、シンガポール主要病院での試験と商業利用が進んでいる。FDA承認に続き、欧州でのCE承認も申請中である。See-Modeは、脆弱な血管内プラークの検出や、高リスクの血流を特定する新製品の開発もすすめている。同社はこれらの製品で集積した研究成果により、従来アプローチできていなかった新しい脳卒中危険因子の検索までを可能にしようとしている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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